もう恋は。
ほわわわわ〜ん
俺 「・・・・・・えへへ」
かしゆか「なによ、にやにやしちゃって。」
俺 「え、にやにやしてました?」
かしゆか「してるよー。高知きてからずっとしてるじゃん。」
俺 「そうかなあ」
かしゆか「何かあった?」
俺 「あー、アレですかね、前の彼女が高知に住んでて、なんか遠い土地の同じ空気を吸ってるんだあと思うと、ちょっと面白いなあ、と」
かしゆか「ふーん」
俺 「結構長いこと付き合ったんですよ。今考えるとウソみたいな時間でしたねえ」
かしゆか「別に聞いてないし。」
俺 「昼間はずっとそのこと考えてましたねえ。あ、怒りました?」
かしゆか「べつにー」
俺 「でもね、本当ににやにやしてるのは、今日のかしゆかさん、とてもいい笑顔でライブしてるのが見れたからなんですよ」
かしゆか「え?」
俺 「すごい近くで今日のライブ見れたんだけど、すごい楽しそうに歌って踊ってるかしゆかさん見たら、ライブ終わった後もずっとかしゆかさんのこと考えてて」
かしゆか「そ、そうなんだ。」
俺 「うん、だからライブ中もライブ終わった後も、ずっとかしゆかさんのこと考えてて、前の彼女のこと、忘れちゃって。それでにやにやしてたんですよ」
かしゆか「な、なんだ。そうだったんだ」
俺 「それにかしゆかさん、俺見つけて結構こっち見てたでしょ。ちらちらと。」
かしゆか「それは自意識過剰なだけかなあ」
俺 「あはは。だから、やっぱ俺、かしゆかさん好きなんだって再確認できたんですよ。」
かしゆか「・・・はいはい! 恥ずかしこと言わないの!」
俺 「・・・ちょっと心配しました?」
かしゆか「全然っ!」
俺 「えへへ(照れてる照れてる」
俺 「(実は連絡したんだけどシカトされたんだ、ってのは黙っておこう)」
かしゆか「ん、なんか言った??」
俺 「あ、いやいや別に! あははははは・・・」
君に会いたくなったら
ほわわわわ〜ん
俺 「ああ、のっち・・・・・・のっちー!!!」
かしゆか「な、なに、いきなり大声で?!」
俺 「あ、いやね。たまぁに、すんごいたまぁに、すんごいのっちに会いたくなる時、ありませんか?」
かしゆか「???」
俺 「んとね、のっちってね、基本てきとーなんですけどね、なんかね、そのてきとーさがたまにね、すんごいいとおしくなるというか、そういうときがね、周期的にあるんですよ」
かしゆか「なんかそれすごいわかるー(適当に合わせておこっと)」
俺 「そう! そうなんですよ! 基本的にね、てきとーなんですけど。てきとーって言うか感覚的というか、直感的というか。そういう感覚の人にすんごい会いたくなるんですよ」
かしゆか「うんうん(おこた、あったかいなあ)」
俺 「なんかね、そういう不確かなんだけどすんごいイイ! って感覚に触れたい時に、俺はすんごい、のっちの事を思い出すんです。その時に限っては、大変申し訳ないんだけど、かしゆかさんじゃなくて、のっちに会いたくなるんです」
かしゆか「(話長くなりそうだなー)」
俺 「のっちのそういう野性の感覚というか、人間が本来持っていた、野生の感覚というか。そういうのがいとおしくなるんですよね。俺の言ってる意味分かりにくいですかね? まあとにかく、今のっちがすんごい恋しいんです」
俺 「あ、俺ルマンド好きですよ。もちろん、かしゆかさんも好きですけど。なんかたまぁに無性に食べたくなるんですよねルマンド!」
かしゆか「(あ、それはすんごいよく分かる。同意するとまた話し長くなりそうだから言わないけど)」
君を見てるだけしかできないけど
ほわわわわ〜ん
ピンポーン ピンポーン
俺 「(あ、かしゆかさん来たかな)はいはい、今開けますよー」
ガチャッ
女の子 「안・・・・・・안녕하세요・・・・・・」
俺 「のあ!? だ、誰!??」
女の子 「길을 잃어 버려・・・・・・」
俺 「(に、日本語じゃないぞ!? な、何て言ってるんだ???)」
女の子 「전화를 빌려 주었으면 좋습니다만・・・・・・」
俺 「(ん、電話を指差してる? 迷子になったから連絡取りたいのかな)」
俺 「おー、おっけーおっけー! ゆあうぇるかむ! かもんかもん」
女の子 「・・・・・・」
俺 「(む、もしやまだ英語が分からない年頃か? こりゃ参ったなぁ・・・・・・どうすりゃいいんだ?? ってか、めちゃんこ可愛いなあ)」
女の子 「・・・・・・・・・・・・」
俺 「(ん、しょうがない。ジェスチャーでなんとか伝えるか)でんわ、ゆーずおっけーおっけー! 中入ってくださいなー」
女の子 「・・・감사합니다」
俺 「(お、何とか通じたみたいだな。靴脱ぎ始めたので部屋に入ってくるようだ)」
女の子 「(ぴぴぴ・・・・・・ぷるるるるー)여보세요、매니저? 구하라그렇지만、 길을 잃어 버려서。맞이하러 와 줄 수 있습니까? 장소는······」
俺 「何かお話ししてるようだが、全く分からないなあ。まあ女の子だし変なことはしないだろう。ここは黙って静観しておこう」
女の子 「그럼 당분간 여기서 기다리고 있습니다。네? 그 남성과 둘이서로 괜찮은가는? 응, 조금 걱정이기 때문에 빨리 와 줄 수 있으면・・・・・・」
俺 「なんか俺の方を不審そうな目で見ているぞ? 何か変なこと言ってないか?」
ガチャン
俺 「お、電話が終わったようだな。どうしますか? しばらくここで迎えがくるのを待つのかな。ゆーあーうぇいとふゅーみにっつ?」
女の子 「(こくんこくん)」
俺 「しばらく待つみたいだ。飲み物でも出して待ってもらうことにしよう」
チ、チ、チ、チ・・・・・・
俺 「うーむ、待ってもらうのはいいんだが、言葉が通じないから他愛もない会話で場をつなぐ事もできないし、イマイチ気まずい空気が流れてるなあ」
女の子 「・・・・・・」
俺 「それにしても可愛い顔してるなあ・・・・・・スタイルもよいし。あっちの国のアイドルとかそんなんだったりして!? そう考えるとそんな雰囲気もするし。なんかこっちがドキドキしてきたな」
女の子 「!!?・・・・・・」
俺 「あ、ついつい変な目で見てたら警戒の眼差しを向けられてしまったぞ・・・・・・自分から余計に雰囲気を悪くさせてどうするんだ!」
女の子 「・・・・・・・・・!!!??」
俺 「(だー、なんか後ずさりまでされちゃってるし!? どうする、どうやって誤解を解けばいいんだ)あー、のーぷろぶれむでもーまんたいですよあはは、あはははは・・・」
女の子 「・・・」
俺 「(んだー! 何か泣いてないか? ちょっとこれは本当にまずいんじゃないのか!?)」
ピンポーン ガチャッ
俺 「あ、これは丁度よいところにウェルカムで来てくれました、かしゆかさん!」
かしゆか「・・・・・・」
俺 「あ、あれ? 何か怒ってます??」
かしゆか「っていうか、泣きそうな美少女を前にうろたえてる男子っていうこの状況を見て、なんとも思わない方が無理ってもんでしょ!?」
俺 「あー! 違う違いますって。そりゃ誤解なんですって本当に!!」
かしゆか「うるさい! なによ、10代の女の子連れ込んで、泣かせるようなことしたんでしょ」
俺 「もー! だから違うって本当に!!! 彼女はただ困ってここに来ただけで・・・・・・ほ、ほら、君も何か言ってよお願いだからさぁ」
女の子 「(かしゆかさんに向かって首を横に振り)오해입니다。조금 전화를 빌린 것만으로・・・・・・」
かしゆか「あれ、この子もしや韓国の人?」
俺 「お、かしゆかさん言葉分かるんですか?」
かしゆか「あ〜ちゃんが韓国ドラマ好きで、ちょっと見させてもらったから韓国語は聞いたことあるよ。そうか、迷子にでもなって困ってここに来たのかな?」
俺 「だから、そう言ったじゃないですか。。。なんで信用してくれないんすか」
かしゆか「(無視して)あ、そうだ。近くのスーパーでチヂミ買ってきたから一緒に食べようよ。ほらほらー」
女の子 「!!!!!!!!!!」
かしゆか「お、ちょっと喜んでるよ。ってか、食べ物とかなんか出してあげなかったの?」
俺 「あー、飲み物だけは出したんですが・・・・・・食べ物まで頭がまわらず」
かしゆか「(無視して)じゃあ迎えがくるまでお食事にしましょう! ご飯食べればちょっと不安も軽くなるだろうし」
女の子 「(こくん)」
俺 「(うーむ、なんかかしゆかさんとは言葉通じなくてもコミュニケーション取れてるみたいだぞ。。。女性同士で通じる何かがあるのだろうか)」
ワイワイ ガヤガヤ
かしゆか「日本のアニメは見たことあるみたいね。あっちでも放送してるの?」
女の子 「(こくん)」
かしゆか「へーそうなんだ! 不思議なカンジだねー!」
俺 「(最早あの二人の間に俺が立ち入ることはできなそうだな・・・・・・俺もきゃわいい子とキャッキャウフフしたいのに!)」
ピンポーン ピンポーン
かしゆか「あ、もしかしてお迎えがきたかな。はーい」
ガチャ
女の子 「규리언니!」
女姓 「하라! 걱정했잖아!!」
かしゆか「お姉さんかな? よかったよかったー」
俺 「うーむ、お姉さんもなかなか美人だなあ、ホントに何者なんだこの子等は」
女姓 「どうもありがとうございました。ご迷惑をお掛けしました」
俺 「おお! お姉さんは日本語しゃべれるのか。いやいや、こちらこそ大したお持て成しもできず」
女姓 「私たちは韓国で芸能活動をしてます。こちらが連絡先です。後ほどお礼はさせていただきます」
かしゆか「KA・・・RA? へー、今度ネットで動画見てみますね!」
バタン
俺 「ふいー、なんかワールドワイドな一日だったなぁ」
かしゆか「そりゃいきなり外国の人がきたらびっくりするよね」
俺 「いやー、それにしても二人とも可愛かったなあ! やっぱ可愛い女の子に国境は関係ないんですねえ!」
かしゆか「・・・・・・はい、あーんして」
俺 「お、そう言えばチゲ鍋が残ってましたね、あーん・・・・・・」
かしゆか「どう?」
俺 「あっちちちちっち! っつーかからい!! あとイタイ!!!・・・・・・さっきよりからみ増してませんか!?」
かしゆか「べっつにぃ」
time after time
ほわわわわ〜ん
キーンコーン カーンコーン
「えー、今日はまずはじめに転入生を紹介します。はい、自己紹介して」
めるこ 「大阪から来ました、めるこです。皆さんよろしくお願いします」
俺 「(がたっ)えっ、めるこ・・・・・・!?」
めるこ 「あれ・・・・・・おかもとくん!? どうして! えっ、なんでここに!?」
俺 「それは俺のセリフだよ! なんで幼稚園ん時大阪に引っ越しためるこがここに・・・・・・」
めるこ 「うん、パパのお仕事の都合でこっちに引っ越すことになったんだ。また一緒だねっ!」
「ひゅーひゅー!」
「お!? 転入生はおかもとの元カノだってよー!」
「もっとかのー! もっとかのー!」
俺 「っうっせーよ岩井! てめー後でボコボコにすっからな!」
めるこ 「・・・・・・おかもとくん、ちょっと性格変わった?」
俺 「あ、いやそうじゃなくて・・・・・・」
めるこ 「だよね。おかもとくん、昔から優しいもんね」
「ひゅーひゅー!」
「さすが元カノはよくわかってるぅ」
「もっとかのー! もっとかのー!」
俺 「マジうっせーぞ岩井! 昼休みぜってーボコるからな!」
「はいはい、みんな静かにするー じゃあ授業はじめるぞ〜・・・・・・」
俺 「ったく、みんなホントにうっせーつの。ただの幼馴染だってのに」
「(つんつん)」
俺 「イテッ・・・・・・ん?」
「(ぐさぐさ、ぐさぐさ)」
俺 「痛い痛い! いくら後ろの席だからって、シャーペンの先で背中刺すのやめてもらえません? かしのさん」
かしゆか「・・・・・・ねぇねぇ」
俺 「はい、なんですか?」
かしゆか「知り合い?」
俺 「あー、んまぁ幼馴染ってやつですよ。めるこの家と俺の家、昔近所だったんだけど、幼稚園ん時にめるこが大阪に引っ越しちゃって。それ以来会ってないんでびっくりしたんですよ」
かしゆか「そうなんだ。ふーん」
俺 「幼稚園の時とかいっつも俺の後ろついてきてて。ほら、アイツなんかヌケてるカンジあるでしょ? 見てて心配なんですよねいつも」
かしゆか「・・・・・・」
俺 「か、かしのさん? 何か怒ってません?」
かしゆか「べつにー 怒ってないよー」
俺 「そ、それならいいけど」
キーンコーン カーンコーン
俺 「んあー、授業終わった終わった。さて、ねぇかしの・・・・・・」
めるこ 「あ、おかもとくん」
俺 「ん、めるこどうした? 放課後、学級委員に学校案内してもらうんだろ?」
めるこ 「そうだったんだけど、やっぱ幼馴染のおかもとくんが案内してくれるのが一番安心かな、と思って。ダメかな?」
俺 「あ、いや・・・・・・今日はその(かしのさんに一緒に帰ろうって声掛けようとして)」
かしゆか「・・・・・・・・・」
俺 「(う〜ん、こっち無視してる。。。けどなんか怒ってる)」
めるこ 「ねぇダメ? なんか予定あるの?」
俺 「まぁ予定はあるようなないような・・・・・・」
めるこ 「お願い! おかもとくんだけが頼りなの」
俺 「(ちょ、近い近い! ってか、めるこってこんな可愛いかったっけ? どきどき)」
かしゆか「(がたっ)」
俺 「か、かしのさん??」
かしゆか「あのー、おかもとくん戸惑ってるじゃないですか。無理やり連れまわすのは、幼馴染でもどうかと思うんですけど」
俺 「あ、いやこれは戸惑ってるというか(ときめいてるというか)」
めるこ 「あなたいきなりなんですか? おかもとくんの彼女?」
俺 「ば、ちがっ・・・・・・(いや、できればそうなりたいけど)」
かしゆか「幼馴染かなんだか知らないけど、そうやって人の席の周りでうるさいと迷惑なんですけど」
めるこ 「そっちこそなんなの突っかかってきて」
かしゆか「迷惑って言ってるの! なに、おかもとくんに気があるの?」
俺 「ちょ、かしのさん。冷静になってくださ・・・・・・」
めるこ 「・・・・・・そうだよ! あたし、ずっとおかもとくんの事好きだったんだもん!」
俺 「!!!!!???????」
かしゆか「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
めるこ 「好きだから、すっごい久々に会っても顔見ただけですぐ分かったもん! だから学校案内もして欲しいんだもん!」
俺 「ちょ、とととりあえず落ち着いて(どきどきどきどきどきどき)」
めるこ 「あなたこそ何よ。彼女じゃないけどおかもとくんの事好きなんでしょ? だからあたしに突っかかってくるんでしょ?」
俺 「めるこ! ちょっといい加減に!?」
かしゆか「・・・・・・・・・・・・ぐすん」
俺 「か、かしのさん?」
かしゆか「・・・・・・ぅぇ・・・ふぅぅぅっぅぅぅ・・・」
めるこ 「!!!!!!!!!!!!!!!」
俺 「かしのさん!? なにも泣くことないのに・・・・・・(ってか何で泣くの? どきどきどきどきどき)」
「あー! おかもとがかしの泣かしてるぞー」
「先生呼んでこようぜ、先生」
俺 「てめー岩井!! 余計なもん呼んでこようとすんじゃねーよ! ますます混乱するわ!!!」
かしゆか「ふぅうぅぅぅぅぅう・・・うぅぅぅぅぅぅぅっぅぅ・・・」
俺 「かしのさん、泣かないで。。。ああ、どうすればいいんだこの状況」
めるこ 「ぐすん・・・・・・」
俺 「ちょ、め、めるこさん!? まさかあなたまで」
めるこ 「ふぅうぅぅぅぅぅう・・・・・・うええええええええん!」
俺 「もー、なんでこっちまで泣き出すかな!?」
かしゆか「ふぅうぅぅぅぅぅう・・・うぅぅぅぅぅぅぅっぅぅ・・・」
めるこ 「うえええええぇぇぇぇぇええぇっぇぇええん! 」
俺 「んなー! もう二人とも泣き止んで! お願いだから! んだー、もうどうすりゃいいんだ、これーーーーーーー」
ほわわわわ〜ん
俺 「う〜ん、むにゃむにゃ・・・・・・俺を取り合って二人でけんかしないでよもうー・・・むにゃ」
かしゆか「寝顔気持ち悪っ」
シンデレラクリスマス
ほわわわわ〜ん
俺 「ねぇねぇ樫野さん」
かしゆか「(あみあみ)なにー?」
俺 「・・・・・・お誕生日おめでとうございます」
かしゆか「(あみあみ)ありがとー」
俺 「結局、お誕生日もクリスマスもお互いお仕事あったから一緒にお祝いできませんでしたね」
かしゆか「(あみあみ)そうだねー」
俺 「でもあとでお誕生日プレゼントは渡しますね」
かしゆか「(あみあみ)ありがとー」
俺 「・・・・・・かしのさん」
かしゆか「(あみあみ)ん?」
俺 「さっきから何を夢中で編んでるんですか?」
かしゆか「(あみあみ)ないしょー」
俺 「むー」
かしゆか「(あみあみ、あみあみ)」
俺 「ピンクの毛糸ですね」
かしゆか「見ちゃダメー!」
俺 「むむー」
かしゆか「(あみあみ、あみあみ)」
俺 「・・・・・・誰かにあげるの?」
かしゆか「(あみあみ)ないしょー」
俺 「ないしょばっかですね」
かしゆか「(あみあみ、あみあみ)」
俺 「ピンクの毛糸だから、あ〜ちゃんにあげるのかな?」
かしゆか「(あみあみ、あみあみ)」
俺 「・・・・・・」
かしゆか「(あみあみ、あみあみ)」
俺 「・・・・・・・・・」
かしゆか「(あみあみ、あみあみ)」
俺 「・・・・・・・・・・・・」
かしゆか「(あみあみ)よしっ!・・・・・・ねぇねぇ」
俺 「(むすっ)なんですか?」
かしゆか「目つむって」
俺 「えっ(どき)」
かしゆか「早く目つむって」
俺 「え、な、なんで目つむるの?(どきどき)」
かしゆか「いいからつむって」
俺 「わ、分かりました(まぶたを閉じる)」
かしゆか「えへへー」
俺 「(どきどき……まさか……)」
かしゆか「ねぇねぇ、近づいていい?」
俺 「え、えぇぇええ!?・・・・・・いいです・・・けど・・・・・・(どきどきどき)」
かしゆか「目開けちゃダメだよ。恥ずかしいから」
俺 「(どきどきどきどき・・・・・・うわぁ、かしのさんが近くに・・・いい匂いが近くに!?)」
かしゆか「えいっ!(ずぼっ)」
俺 「・・・・・・えっ?(頭をさわりながら)」
かしゆか「へへへー、目開けていいよ」
俺 「ピ、ピンクの毛糸の帽子・・・」
かしゆか「あんまうまくないからじろじろ見ちゃダメだよ!」
俺 「俺が最近、ピンクのiPhoneカバーとかイヤホンとかつけてるのちゃんと見てたんですね」
かしゆか「そうそう」
俺 「でもピンクの帽子はちょっとハデ過ぎじゃ・・・」
かしゆか「ありがとうは?」
俺 「ありがとうございます」
かしゆか「よしよし」
俺 「(どきどき)」
かしゆか「ねぇねぇ」
俺 「(どきっ)はい」
かしゆか「キスすると思ったでしょ?」
俺 「え、い、いや、そんなことは思っててててないですよ!?」
かしゆか「顔真っ赤だよww」
俺 「むー」
かしゆか「くすくすくすwww」
俺 「・・・・・・かしのさん」
かしゆか「な〜に〜??(俺の真っ赤な顔を覗き込んで)」
俺 「来年は一緒に、お誕生日とクリスマス、お祝いしましょうね」
かしゆか「うん、ぜったい一緒に祝おうね」
もっと遠くへ
ほわわわわ〜ん
俺 「ねぇねぇ樫野さん」
かしゆか「ん?(もぐもぐ)」
俺 「……みかん美味しそうですね。俺にもください」
かしゆか「いいよー はい」
俺 「(もぐもぐ)やっぱおこたにはみかんですよね」
かしゆか「ですよね〜♪」
俺 「(もぐもぐもぐ)……ねぇ樫野さん」
かしゆか「はいはい、なんでしょう」
俺 「紅白出場おめでとうございます。」
かしゆか「ありがとー やっぱ嬉しいよね。夢だったもん」
俺 「ですよね、おめでとうございます」
かしゆか「いやいや、皆さんのおかげです」
俺 「いやいやそんな……で、紅白なんですけど」
かしゆか「うん」
俺 「歌う曲は決まってるんですか?」
かしゆか「うーん、、まだ決まってないけど、Dream Fighterかな。最新曲だし」
俺 「そうですか、DFですか」
かしゆか「まだ分からないけどねー」
俺 「でもDF、ウィークリーチャートで2位ですよね」
かしゆか「そうだよ。すごいよねー」
俺 「……うん、でも1位じゃないじゃないですか」
かしゆか「あー、そうだね。惜しかったよ」
俺 「そうですよ、1位はガンダムOOのOPテーマでタイアップされてるUVERworldなんですよ」
かしゆか「ふーん……(もぐもぐ)」
俺 「『ふーん』、じゃないですって! Perfumeがカッコイイ路線に切り替えたのに、その途端にヲタタイアップに負けたんですよ!?」
かしゆか「ゆか、そういうのよく分かりません」
俺 「いいですか樫野さん。カッコイイ路線がヲタクの曲に負けたんです。これは一大事です」
かしゆか「そうなんだー」
俺 「『そうなんだー』じゃないんですよ! ヲタ向けの曲を排除してまで突き進んだ結果がこれですよ。俺は悲しくてたまらない」
俺 「ん、、、んー、まぁはい、買いましたよ」
かしゆか「ほらー」
俺 「いやいや! 『ほらー』じゃありませんって! 俺は違うんですって!」
かしゆか「ほらほらー」
俺 「ぐぬっ……」
かしゆか「ほらほらほらー」
俺 「だー! もうだから俺は違うんですって! いいですか、なんで俺がDF聴かないか分かりますか!?」
かしゆか「んーん、分かりません(もぐもぐ)」
俺 「DFはね、コンサヴァ過ぎるんですよ! 歌詞・メロ・アレンジ。おまけにPVも“シティ”と比べて何の面白さも感じられない! いいですか樫野さん、俺はltwは好きなんですよ。なんでかってーと、まだキュートなPerfumeらしさがあるんですよltwには。あー、でもPVはイケてないと思ってますよ。なんなんでしょうかね、あのモノクロトーンは。断然カラーの樫野さんの方が可愛いのに、そういうこと度外視してモノクロにしやがって。あのPV作った奴は樫野さんが可愛いってことを全く理解していない。だって間近で見る樫野さんはこんなに可愛いのに、なんでモノクロにするんですか意味が分かりませんよ」
かしゆか「……んー」
俺 「あ、ごめんなさい。話をDFに戻しますね。で、DFのナニが駄目って、全てがコンサヴァ過ぎるんですよ。いいですか、“コンサヴァ”って意味分かりますか? 俺もちゃんと英訳知ってるわけじゃないけど、“ありきたりな”とかそんなようなニュアンスなんです。で、歌詞も応援ソングだし、メロもオケも面白くないし、俺の仲間内ではボーカルなしトラックがまたいい、とか言うんですよ。俺は世界でたった一人になっても『DF駄曲だぞー!』って言い続けたいと思ってます。よっこいせ、と(立ち上がって)それくらい、ありきたりな、面白くもない、そんな曲がDFなんです。それを樫野さんが歌って踊ってるんです。いいや、歌って踊らされてるんです。まさにロボットなんですボーカロイドなんです! あと俺、ボーカロイドも好きじゃないんです。みっくみくとかね、意味分からないじゃナイデスカ。機械の声を通して名曲が悉くダメなアレンジになってニコニコとかにアップされて、そういうのヤなんです。ニコニコもね、俺は、まぁこれは前から言ってるけど、“アイマス”ってのが好きじゃないんです。っていうか嫌い! すっごい嫌いあれ! あんなもんで『♪ぱーふぇくすたー☆』とかって喜んでるクソヲタクを見るとね、俺すっごい吐き気するんです。あ、まぁまた話脱線しちゃったけど、つまりDFは好きじゃないんですよ。」
かしゆか「………」
俺 「ん、樫野さん? 俺の話、聞いてます?」
かしゆか「すー……」
俺 「あ、あれ?」
かしゆか「すー…すー…」
俺 「あーあー、寝ちゃった。話がちょっと長くなっちゃったかな」
かしゆか「すー…すー…ZZZZzzzzz.......」
俺 「樫野サーン、おこたで寝ると風邪引きますよー」
かしゆか「………」
俺 「あーダメだこりゃ。完全に寝ちゃった。んしょ、しょうがないから毛布だけ掛けておきますよー」
かしゆか「すぴー………」
俺 「寝顔かわいいなぁ……」