君を見てるだけしかできないけど
ほわわわわ〜ん
ピンポーン ピンポーン
俺 「(あ、かしゆかさん来たかな)はいはい、今開けますよー」
ガチャッ
女の子 「안・・・・・・안녕하세요・・・・・・」
俺 「のあ!? だ、誰!??」
女の子 「길을 잃어 버려・・・・・・」
俺 「(に、日本語じゃないぞ!? な、何て言ってるんだ???)」
女の子 「전화를 빌려 주었으면 좋습니다만・・・・・・」
俺 「(ん、電話を指差してる? 迷子になったから連絡取りたいのかな)」
俺 「おー、おっけーおっけー! ゆあうぇるかむ! かもんかもん」
女の子 「・・・・・・」
俺 「(む、もしやまだ英語が分からない年頃か? こりゃ参ったなぁ・・・・・・どうすりゃいいんだ?? ってか、めちゃんこ可愛いなあ)」
女の子 「・・・・・・・・・・・・」
俺 「(ん、しょうがない。ジェスチャーでなんとか伝えるか)でんわ、ゆーずおっけーおっけー! 中入ってくださいなー」
女の子 「・・・감사합니다」
俺 「(お、何とか通じたみたいだな。靴脱ぎ始めたので部屋に入ってくるようだ)」
女の子 「(ぴぴぴ・・・・・・ぷるるるるー)여보세요、매니저? 구하라그렇지만、 길을 잃어 버려서。맞이하러 와 줄 수 있습니까? 장소는······」
俺 「何かお話ししてるようだが、全く分からないなあ。まあ女の子だし変なことはしないだろう。ここは黙って静観しておこう」
女の子 「그럼 당분간 여기서 기다리고 있습니다。네? 그 남성과 둘이서로 괜찮은가는? 응, 조금 걱정이기 때문에 빨리 와 줄 수 있으면・・・・・・」
俺 「なんか俺の方を不審そうな目で見ているぞ? 何か変なこと言ってないか?」
ガチャン
俺 「お、電話が終わったようだな。どうしますか? しばらくここで迎えがくるのを待つのかな。ゆーあーうぇいとふゅーみにっつ?」
女の子 「(こくんこくん)」
俺 「しばらく待つみたいだ。飲み物でも出して待ってもらうことにしよう」
チ、チ、チ、チ・・・・・・
俺 「うーむ、待ってもらうのはいいんだが、言葉が通じないから他愛もない会話で場をつなぐ事もできないし、イマイチ気まずい空気が流れてるなあ」
女の子 「・・・・・・」
俺 「それにしても可愛い顔してるなあ・・・・・・スタイルもよいし。あっちの国のアイドルとかそんなんだったりして!? そう考えるとそんな雰囲気もするし。なんかこっちがドキドキしてきたな」
女の子 「!!?・・・・・・」
俺 「あ、ついつい変な目で見てたら警戒の眼差しを向けられてしまったぞ・・・・・・自分から余計に雰囲気を悪くさせてどうするんだ!」
女の子 「・・・・・・・・・!!!??」
俺 「(だー、なんか後ずさりまでされちゃってるし!? どうする、どうやって誤解を解けばいいんだ)あー、のーぷろぶれむでもーまんたいですよあはは、あはははは・・・」
女の子 「・・・」
俺 「(んだー! 何か泣いてないか? ちょっとこれは本当にまずいんじゃないのか!?)」
ピンポーン ガチャッ
俺 「あ、これは丁度よいところにウェルカムで来てくれました、かしゆかさん!」
かしゆか「・・・・・・」
俺 「あ、あれ? 何か怒ってます??」
かしゆか「っていうか、泣きそうな美少女を前にうろたえてる男子っていうこの状況を見て、なんとも思わない方が無理ってもんでしょ!?」
俺 「あー! 違う違いますって。そりゃ誤解なんですって本当に!!」
かしゆか「うるさい! なによ、10代の女の子連れ込んで、泣かせるようなことしたんでしょ」
俺 「もー! だから違うって本当に!!! 彼女はただ困ってここに来ただけで・・・・・・ほ、ほら、君も何か言ってよお願いだからさぁ」
女の子 「(かしゆかさんに向かって首を横に振り)오해입니다。조금 전화를 빌린 것만으로・・・・・・」
かしゆか「あれ、この子もしや韓国の人?」
俺 「お、かしゆかさん言葉分かるんですか?」
かしゆか「あ〜ちゃんが韓国ドラマ好きで、ちょっと見させてもらったから韓国語は聞いたことあるよ。そうか、迷子にでもなって困ってここに来たのかな?」
俺 「だから、そう言ったじゃないですか。。。なんで信用してくれないんすか」
かしゆか「(無視して)あ、そうだ。近くのスーパーでチヂミ買ってきたから一緒に食べようよ。ほらほらー」
女の子 「!!!!!!!!!!」
かしゆか「お、ちょっと喜んでるよ。ってか、食べ物とかなんか出してあげなかったの?」
俺 「あー、飲み物だけは出したんですが・・・・・・食べ物まで頭がまわらず」
かしゆか「(無視して)じゃあ迎えがくるまでお食事にしましょう! ご飯食べればちょっと不安も軽くなるだろうし」
女の子 「(こくん)」
俺 「(うーむ、なんかかしゆかさんとは言葉通じなくてもコミュニケーション取れてるみたいだぞ。。。女性同士で通じる何かがあるのだろうか)」
ワイワイ ガヤガヤ
かしゆか「日本のアニメは見たことあるみたいね。あっちでも放送してるの?」
女の子 「(こくん)」
かしゆか「へーそうなんだ! 不思議なカンジだねー!」
俺 「(最早あの二人の間に俺が立ち入ることはできなそうだな・・・・・・俺もきゃわいい子とキャッキャウフフしたいのに!)」
ピンポーン ピンポーン
かしゆか「あ、もしかしてお迎えがきたかな。はーい」
ガチャ
女の子 「규리언니!」
女姓 「하라! 걱정했잖아!!」
かしゆか「お姉さんかな? よかったよかったー」
俺 「うーむ、お姉さんもなかなか美人だなあ、ホントに何者なんだこの子等は」
女姓 「どうもありがとうございました。ご迷惑をお掛けしました」
俺 「おお! お姉さんは日本語しゃべれるのか。いやいや、こちらこそ大したお持て成しもできず」
女姓 「私たちは韓国で芸能活動をしてます。こちらが連絡先です。後ほどお礼はさせていただきます」
かしゆか「KA・・・RA? へー、今度ネットで動画見てみますね!」
バタン
俺 「ふいー、なんかワールドワイドな一日だったなぁ」
かしゆか「そりゃいきなり外国の人がきたらびっくりするよね」
俺 「いやー、それにしても二人とも可愛かったなあ! やっぱ可愛い女の子に国境は関係ないんですねえ!」
かしゆか「・・・・・・はい、あーんして」
俺 「お、そう言えばチゲ鍋が残ってましたね、あーん・・・・・・」
かしゆか「どう?」
俺 「あっちちちちっち! っつーかからい!! あとイタイ!!!・・・・・・さっきよりからみ増してませんか!?」
かしゆか「べっつにぃ」